WILDER MANN   欧州の獣人〜仮装する原始の名残 2

WILDER MANN   欧州の獣人〜仮装する原始の名残 2

動物の仮面は一般的によく用いられる。

文明と自然を結びつける役割を果たし、精神の慈悲、土地の豊かさ、女性の多産等、人間の環境をコントロールする為の象徴と力が授けられていた。


ヨーロッパでの動物の仮面では、熊と山羊が挙げられる。

熊の仮装は特にオーストリア、バルカン諸国、アルプス、ピレネーのような山岳地域でよく見られる。仮死状態で穴の中で冬を過ごせる能力は、熊があの世とのつながりを持っていることを暗示する。


山羊の仮装は主にヨーロッパ東部で見られる。山羊の仮装行列にはあごの動く仕掛けが不可欠で、山羊の立てる物音を聞いた人には繁栄が保証されるという。また、山羊の角は天に向かって伸び、ひずめが本能的に大地を掘ることによって二つの世界を繋ぐ役目を担う。


仮面や衣装に使われる素材も興味深い。家畜の毛皮や植物(コケ、草、豆のつる、麦わら等)によってつくられる。ワイルドマン達の不思議な容貌もさることながら、衣装を飾る素材にもまた注目してもらいたい。また違ったイメージでこのポートレイトを見る事ができるはずだ。

2015/05/21 成田雲助