WILDER MANN   欧州の獣人〜仮装する原始の名残

WILDER MANN   欧州の獣人〜仮装する原始の名残 --シャルル・フレジェ--

シャルル・フレジェ WILDER MANN 欧州の獣人〜仮装する原始の名残 シャーマン 原始美術 プリミティブアート 成田雲助 写真集

シャルル・フレジェというフランスの写真家による


【WILDER MANN   欧州の獣人〜仮装する原始の名残】


という写真家のポートレイトを見るにあたり、獣人とは何か調べてみた。


獣人(ワイルドマン)とはドイツ語ではヴィルダーマン、フランス語ではオム ソバージュと呼ばれ、伝説によると一匹の熊と一人の女性が結ばれ、その間に産まれた子のことを言うらしい。

人間の姿をベーシックに動物の特性を併せ持ったそれは超人的な存在と見なされ、大昔には神話に登場し、近代ではアニメやテレビゲーム等、様々なメディアの中に登場してきた。狼男やケンタウロス、アフリカの壁画に描かれているアヌビス神等も獣人の類に入ると言えるのだろう。

世界の各所には様々な祭りがある。神々の世界や死者の世界と、我々の生きる現実世界を繋ぎ、豊作を祈願し、災いを追い払う。その為に異なる二つの世界を繋ぐ役割を担うワイルドマンが特殊な衣装を纏い祭りを活気づける。


シャルル・フレジェのこのポートレイトの興味深いのは、不可思議な民族衣装を纏ったワイルドマン達の写真がアジアやパプアニューギニア付近、アフリカ等の開発途上国のものではなく、あえてヨーロッパにスポットを当てているところだろう。精霊や神を進行する民族のアイデンティティーが環境や生活の形態を超え伝統的に受け継がれていくものなのだというある種のシンパシーを感じずにはいられない。

2015/05/20 成田雲助